母親をはじめ家族へのプレゼントは、のしなどを気にする必要はないように思いますが、結婚している人は義理の両親への贈り物をすることもあります。
その場合、マナー違反をしてしまってはまずいですし、実の両親も自分の子供がマナー違反をしていたら注意してきます。
そもそも一般的な常識でもありますので、表書き、水引きのマナーについて見ていきましょう。
のし、表書き、水引きの意味
贈り物の際に使われるのし、表書き、水引きはそれぞれ以下のようなものです。
■のし、表書き、水引きの意味
- のし :贈答品の掛け紙に添えられる飾り
- 表書き:のし紙に書くお祝いの目的や宛名など
- 水引き:贈答品の掛け紙にかける紐のこと
のしは掛け紙に添えられる飾り
のしは贈り物の掛け紙、包み紙につける飾りのことで、以下のような飾りです。
■のしのイメージ
「のし」というと、ぴんと来ない人もいるかと思いますが、目で見ると「あー」と思い当たる人がほとんどだと思います。
のしは、以前贈答品にのし鮑を添えていたことから、鮑を贈らなくなった今でも、紙の飾りをつける習慣が残っているものです。
ギフト対応しているお店であれば、掛け紙をつけてくれ、その掛け紙にはのしがついていることがほとんどですので特に注意する必要はありません。
家族であれば特に、のしがないと失礼ということもないので、気にする必要はないでしょう。
表書きはのし紙に書くお祝いの目的や宛名など
表書きはのし紙に書く宛名やお祝いの目的などを入れるもののことです。
お祝いの目的を書くものですので、お祝いごとに表書きの内容は異なり、以下のような表書きが一般的です。
■お祝いごとの表書きの例
お祝いの種類 | 表書きの内容 |
---|---|
お祝い全般 | 御祝 |
長寿(全般) | 福寿 |
長寿(還暦) | 祝還暦 |
長寿(古希) | 祝古希 |
長寿(喜寿) | 祝喜寿 |
金婚式 | 祝金婚式 |
銀婚式 | 祝銀婚式 |
お祝いのお返し | 内祝、粗品 |
表書きについても家族であまり意識することはないと思いますが、一般的なお祝いであれば「御祝」を入れるなどします。
なお、表書きは四文字となると、「死文字」といって縁起が悪いとして嫌う人がいます。
そのため、なるべく4文字にすることをなくして、どうしても「祝○○○」という形で4文字になってしまう場合は、「祝」の字と「○○○」を少し離して記載するなどの工夫をしておきましょう。
水引きは贈答品の掛け紙にかける紐のこと
水引きは贈り物の掛け紙などにかかっているひものことです。
水引きは結び方がいくつかあり、ご祝儀、不祝儀(めでたくない時の贈り物)の場合で結び方が異なります。
ご祝儀の時の結び方は、一般的には蝶結びが使用されます。
■蝶結び
蝶結びは簡単にほどくことができて、何度でも結びなおすことができます。
そのため何度やっても良いお祝いの贈り物の水引きに使用されることが多いです。
逆に、結び切りと呼ばれる固結びは、一度結んでしまうとほどくことができないので、一度きりのお祝いの贈り物とされます。
結婚祝いや退院祝いなどが一度きりのお祝いの代表ですね。
還暦や米寿などの長寿のお祝いについては、人生で一度しか訪れないお祝いではありますが、何度お祝いしても良いものという意味で、お祝いの贈り物の水引きには蝶結びが使われることが多いです。
■あわじ結び
関西では、あわじ結びと呼ばれる結び方をすることが一般的です。
あわじ結びは固く結ばれてはいますが、ほどこうと思えばほどけるので、関西では一度きりのお祝いにも、何度お祝いしても良いお祝いでも、不祝儀でも区別なくよく使われるようです。
なお、あわじ結びは、以前鮑を贈り物にするときに使用された水引きであることから、あわび結びと呼ぶところもあるようです。
水引きに関しても、家族であれば神経質になる必要はありませんが、関東であれば蝶結び、関西であればあわじ結びを選択しておくのが無難で失敗も少ないです。
まとめ
のし、水引き、表書きのルールやマナーについて見てきました。
いずれも家族宛の贈り物であれば、そんなに気にする人もいないので、明らかにおかしいものでなければ不都合はありませんが、常識としては知っておきたい内容です。
両親は、子供がマナー違反をしていると、他の人への贈り物にも間違ったマナーで贈っているのではないかと心配になってしまうものです。
特に義理の両親、つまり嫁姑の関係の場合は「嫁のマナーがなっていないから息子が恥をかいたり、出世に影響したりしないだろうか」と心配になる人もいます。
せっかく心を込めても、マナーの部分が目に付いてしまってはもったいないですし、押さえておいて損はないものですので、きちんとマナーを押さえてお祝いをするようにしましょう。