親孝行をすべきか自分の幸せをとるかを悩んだ時

就職や進学でよく聞く話ですが、自分がやりたいことに対して親が反対をしていたり、親に経済的な負担をかける場合があります。

その場合、「自分の幸せ」をとるべきか、「親孝行をする(親不孝をしない)」をとるべきか悩むことになります。

どちらの選択が良いかは人それぞれで正解はありませんが、「自分の幸せ」と「親不孝をしないこと」のどちらを選ぶべきか、考え方のヒントを紹介します。

「自分の幸せ」か「親孝行」か悩んだとき

  • 自分の幸せが親孝行になる
  • 自分の意志で選択をする
  • 別の機会に親孝行ができる場合もある

自分の幸せが親孝行になる

まず考えるべきは、「自分の幸せ」が親孝行になるということです。

親孝行とは「親を喜ばせる」ことですが、親が望んでいるのは子供である自分が幸せになることです。幸せになるために、親なりに考えて反対意見を言っているのです。しかし、幸せかどうかは自分が決めることです。

両親としても、一時的に親の反対を押し切っても、最終的に幸せになるのであれば満足すると思います。もちろん、常に親不幸な方向に進むべきだというわけではありません。

親に多大な経済的負担をかけてまで道を進むことが自分にとって「幸せ」なのかと考えるのも人それぞれです。

大切なことは最終的に自分が幸せになれるかどうかですので、そのような判断基準のもと決断をくだすのが良いですね。

自分の意志で選択をする

「自分の幸せ」が親孝行になると考えることと似ていますが、自分の意志で選択をしていくという心構えも必要です。

「あの時、親が反対したから自分は進みたい道に進むことができなかった」と考えてしまうと、その後の人生を幸せに生きることはできませんし、成長することもできません。

論語の言葉で「君子は諸(これ)を己に求め、小人は諸を人に求む」という言葉を孔子が言っていますが、立派な人ほどあらゆる責任を自分に求め、だめな人ほど責任を他者に求めるものです。

自分の意志で人生の選択をして、幸せになると心がけることで、今悩んでいる道を諦めたとしても、親をうらむこともなく新たな道で幸せを探すことができます。

別の機会に親孝行ができる場合もある

自分の幸せか親孝行か悩んだ時に、親孝行は今全てが決まるわけでなく、「後からでも親孝行はできる」と考えることも重要です。

自分と親との関係は一生続いていくものですので、一時の選択でその関係性が終わることはありません。親子であれば、すれ違いをしたとしても、何かのきっかけでもとの関係に戻れることも多いです。

プラスマイナスの関係ではありませんが、一時の親不孝をしてしまったとしても、その時の感謝の気持ちを忘れず親孝行を続けていくことで、「親のせいでやりたいことができない」とその後親孝行をしない人よりもよほど親孝行になると思います。

「親孝行したいときには親はなし」とも言いますので、親孝行はいつでもできると考えるのもよくありませんが、別の機会に別の形で親孝行をすることもできると考えることで人生の選択肢が広がるのであれば、一時の親孝行・親不孝にしばられるのは少しもったいないのかもしれません。

「親の人生」ではなく、「自分の人生」を過ごす

「自分の幸せ」か、「親孝行」か悩んだ時の考え方のヒントを紹介しました。

親は子供である自分の幸せを望んでいるので、「自分の幸せ」を貫いていけば親孝行になります。ですので、どちらかしか得ることができないという状況はなかなかないといえます。

悩んだ時には自分の人生を悔いのないように生きるのが良いですね。

しかし、それは必ず「今の自分が進みたい道を選ぶべき」という話ではなく、親の反対を押し切り、負担をかけてまで、進みたい道を進んで自分は幸せなのか、また幸せになれるのかをじっくり考え結論を出すことです。

自分の気持ちをしっかり確認して、気持ちを伝えれば多くの両親はわかってくれます。一時的にわかってくれなかったとしても自分が幸せになる姿を見せることで、当時の自分の選択は正しかったのだと思ってもらえるはずです。

自分で責任をとれない人は別ですが、「自分の人生は自分で決める」ということを、かつて子供であった両親はよくわかっているはずです。

親孝行は大事ですが、「親の人生」ではなく「自分の人生」を過ごすことが最も重要なことですので、自分らしい選択をしていきましょう。